<本日のツボ34>
『国語力』
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<ツボの説明>
経営者や組織のリーダーに求められる能力はいろいろあり
ますが、第一番目に重要な能力は、なんといってもコミュニ
ケーション能力です。
よく「私は××しろといったのに、ちゃんとやらないから
うまくいかないんだ」と嘆いている社長さんを見受けますが、
これは、部下の方々が「ちゃんとやらないから」ではなくて、
この社長さん自身が「ちゃんとやらなければいけないことを、
ちゃんと伝えることができないから」うまくいかない、という
場合がほとんどです。
私がタイで工場経営をしていたとき、右腕だった工場長(日
本人)はタイ語が堪能でした。しかし、やはりネイティブでは
ない悲しさ、ヒアリングは完璧でも発音が今ひとつで、時々
我々の意志が正しく伝わらないことがありました。
そんなとき、その工場長はタイ人スタッフに対して、こう
言います。
「俺はおまえたちの言っていることが100%わかる。だから
おまえたちも、俺のいっていることをできるだけ理解するよう
に努力して欲しい。
日本人の下手な発音はわからなくてもいい、と考えるなら
それはコミュニケーションを放棄するということだ。
コミュニケーションを放棄する者は組織人とはいえないから、
そのような者はもう会社に来なくていい」と。
少し傲慢なようですが、ようするに、「俺も一生懸命聞き取
るから、そちらも一生懸命聞いてくれ」といっているわけです。
私は私で、誤って伝わらないように一語一語区切って、ゆっ
くりと大きな声で話すようにしていました。ゆっくりしかしゃべ
れなかったからという理由もありますけど・・・。
懇意にしていただいたある日系食品会社の社長さんは、「海外
で事業をおこなうなら、語学の習得は大切である。とくに文字の
読み書きから入ることをおすすめする」とおっしゃっていました。
たしかに、読み書きができるようになると、指示・報告のやり
取りにおけるモレや誤解を、非常に少なくすることができます。
こういったことは日本での経営活動にも当てはまります。
「まずは国語力をしっかり磨くこと」 これがとても大切です。
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アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史
本コラムの内容は、大山祐史によるものであることを明記する
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