タイトルロゴ大山祐史の経営コラム




 <本日のツボ383>
       『発展は悪か?』

-----------------------------------------------------
<ツボの説明>

  NEXT11(ネクストイレブン)の本の共同執筆者であり、国際派コンサル
 タントの大先輩でもある鹿子木基員さんが、自身のブログでNEXT11諸国の
 経済発展振りと将来の可能性について紹介したところ、次のようなコメントが
 寄せられたそうです。

 「・・・もうしわけないけれど、「儲けの鍵はここにある」という副題は気に
 入りません。
  私は、経済発展が環境を破壊し人類を滅亡に追いやると信じています。
 「加速する日本とNEXT11・・・」ですか?人類の滅亡が加速されること
 ですね。
  私はいま、「金儲けは悪いことだ」というエッセイを書いているところです」

 (鹿子木さんのブログ↓
    http://kanokogim.seesaa.net/article/79949732.html


  なるほど、ですね。

  たしかにおとなりの中国なんかを見ていますと、経済発展のペースは世界一
 ですけれども、そこで暮らす人々が幸せになっているかというと全然そうでは
 ない人もたくさんいるように見えます。また、木という木を切りつくし、生き
 物という生き物を食いつくし、資源やエネルギーを貪食し、水という水を汚し
 つくして、結果として「GDP成長率が二桁」といわれても、なんだか素直に
 賞賛する気にはなれないものです。

  過去を振り返れば、日本も同じようなものでした。
  しかし、だからといって、経済発展が人類や地球にとってマイナスであると
 言い切れるかというと、そうではないですね。

  今までテクノロジーは人類が生き残るために必要なものでしたし、今後も
 そうであり続けるでしょう。そもそも人類は、火や狩のための道具を使うこと
 を覚えなかったら、数千年前に絶滅していたかもしれない。
  「火や槍はいいけれど、原子力やプラスチックはいけない」という議論は
 線引きの基準を設けられないという点で不毛です。

  同様に、これ以上経済・産業が発展してゆくと人類のためにならないという
 議論も、どこをもって「これ以上ダメ」というかという点において、根拠を
 示すことができないものでしょう。


  ただ、上で紹介したコメントが示すとおり、経済発展と環境とのバランス
 に懸念を抱くことは、少なくとも今の日本においてはごくありきたりの考え方
 となっています。そしてこのような価値観は、先進国から中進国、そして新興
 国へと着実にかつ急速に広がってゆくと考えられます。
  したがって、新しいビジネスやテクノロジーを開発する際にはこの価値観を
 重視することが有効となります。

  幸い日本は、GDPあたりのエネルギー消費量が世界の国々の中で群を抜い
 て少ない国です。その技術は日本企業の中にたしかに存在しています。そういっ
 たものを掘り起こして世界に紹介してゆくことも、日本企業やそれを支援する
 私たちに課せられた重要な使命なのですね。

-----------------------------------------------------
<PR>推奨書籍「創造の原理」<PR>
 エネルギー工学の世界的権威が、人生をかけた創造体験を通し、業績を急伸
 させる「創造の原理」を説き明かす。これから儲かる商品・事業を創出するた
 めに、5つの原理と実戦策を明示した経営トップ待望の書。この厳しい経営
 環境の中、導入企業で売上70%増はじめ、年商12億→91億円など脅威の効果。
   http://www.jmca.net/books/souzou
定価:10,290円(税込)のところ、特別割引価格9,240円(税込)

     アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


       本コラムの内容は、大山祐史によるものであることを明記する
       限りにおいて、引用・転載は自由です。