<本日のツボ61>
『楽な価格設定』
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<ツボの説明>
大方の会社は、原価または競争相手のつけた価格をもとにして
自社商品の販売価格を決定している。
ひどい会社になると「お客さんの言い値」で販売している。
これらは、ほとんど頭を使わなくても価格を決められる、いわば
「楽な価格設定」。
このような状態はいわば、「自分のビジネスの主体が、自社では
なく他社にある状態」である。
原価、特に変動原価の大部分は、原材料・資材の供給メーカー
によって決められているし、競争相手の商品の価格は言うまでも
なく競争相手がつけた価格である。
市場価格やお客さんの言い値というものは、買い手が決めた価格
であるということができる。
こういう状態で利益を出すには、わずかばかり自分の手の中に
残っている部分を切りつめるしかない。
製造業であれば加工工数など、自社が自由に取り扱える部分の
ことであるが、この部分を現状以上に効率化してコストを切りつめる
のは、実際には大変難しい。
現実には大企業でさえ打ち手に事欠いており、正社員をパート
タイマーや業務請負(作業のアウトソーシング)に切り替えること
でコスト削減を実現するといった程度の対応となっている。
これは、働き手の賃金という企業自らの付加価値の一部を削って、
利益に振り替えている行為に過ぎない。
サービス業ではもっと大変である。自社内での加工割合が少な
いので、内部的に手を打てることが限られているからである。
必然、人員減に対して補充しないなどといったことがおこって
しまい、過重労働やサービス残業などが常態化することになる。
このような価格決定を行なっている限り、景気が良くなっても
自社に利益が出るようになるのは一番最後、周りの会社に利益が
行き渡ってからとなる。
景気が悪化すると、まっ先に赤字に転落する。
経営者が「正しい価格の決め方」を知らないと、会社も働き手
も豊かになれないし、過労やそれに起因するストレス、うつ病などの
障害もなくならないということである。
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アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史
本コラムの内容は、大山祐史によるものであることを明記する
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