<本日のツボ68>
『バランス感覚』
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<ツボの説明>
成功者のバランス感覚というのは飛びぬけています。
アルフレッド・ノーベルは武器の製造というビジネスで巨万の
富を蓄えましたが、生涯独身で子供もありませんでした。
ノーベルが幸福な成功者であったかどうかはわかりませんが、
彼は遺言によりノーベル財団を設立し、いまでもノーベル賞の授
賞を続けているわけです。
日本でも同じような例をよく見聞きします。
極道から牧師へ、とか、極道の妻から弁護士への転進といった
例は有名な話ですし、薬物中毒だった方が、薬物中毒者の更生
支援施設や団体を運営している、などといった話もあります。
こういった方々は、自身の進む方向を正反対の向きに転換して
やってこられたわけですが、こういったことをきっかけにして成
功者になっており、なおかつ幸福になっているということができる
と思います。
ここでバランスしているのは、「善悪」とか「白黒」という概念
ではありません。
自分自身が世の中全体に対して果たす役割について、背負う
ときと背負われるとき、支えるときと支えられるとき、といった
意味合いにおいてバランスをとられているのです。
このような例はむしろ、人間やその行いに対して「悪」だとか
「黒」といったレッテルを貼ってみることがいかに無意味である
かを示しているということができます。
以前(3/21 #65)にも書いたように、人間が変わるときという
のは正反対の向きへの変化がいちばん多いものです。
そしてそのような変化は、自分の役割についてバランスを取り
戻そうとするときによく起こります。
放って置いても、いつの間にか自然にバランスが取れてしまう
ということも多いのですが、このバランス回復のエネルギーをう
まく利用するということも、幸福な成功をつかむための手段になる
ということができます。
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アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史
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