<本日のツボ77>
『クレームの本質が変わってきた』
------------------------------------------------
<ツボの説明>
顧客からのクレームというのは、昔から自社の商品やサービス
の改善・向上にとって欠かせない有力な情報源とされてきました。
このことは今でも変わりありませんが、クレームを言ってくる
お客さんが我々供給者に対して求めているものの本質が、最近
大きく変化してきています。
昔は、商品の外観や機能に不良があった場合にクレームになり、
対応としては、その商品を修理したり新品と交換したりといった
ことを迅速に行なうというのが基本でした。
最近多いのは、表面上はもっと些細なことです。
たとえば、「商品名ロゴのシールをはがしたいんだけど、粘着
力が強すぎてはがれない。なんとかしてくれ」(実例です)
こういったクレームは、電話でいってくることが多いのですが、
電話時間も長引きがちです。
「ドライヤーで暖めるとはがしやすくなりますよ」などといって
手短に切り上げようとすると、「あなたは客の意見を軽く見ている」
などとお叱りを受けてしまい、なかなか切らせてもらえません。
これは、商品に問題があるのではなく、お客様が「私という客
がここにいるのよ」というアピールをしている状態だととらえる
しかありません。
こうなると、「クレーム対応マニュアル」などで事務的に処理
しようとしてもうまくいきません。
もっと高度な相対接客のテクニックが要求されているのです。
品質保証担当の仕事ではなく、セールス担当の仕事に近い。
ということは、こういったクレームをいってくる方々は、
実は、有望な潜在顧客になりえます。
--------------------------------------------
アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史
本コラムの内容は、大山祐史によるものであることを明記する
限りにおいて、引用・転載は自由です。
|